2022年09月17日

八重洲ブックセンター本店の終了!?

 1978年設立の「八重洲ブックセンタ―本店」が、来年3月で閉店することになった。本店閉店後は、本店機能を八重洲周辺のビルに移す予定と言われているが、正式にはまだ決まっていない。やはり本社は、コロナ禍による消費低迷の打撃が大きく、8店舗ある支店は比較的順調とのことである。現在の跡地には、大手建設会社と不動産会社による再開発で、28年度に48階建ての複合施設ができる予定だが、本店の入店等は定かではない。
 
 「八重洲ブックセンタ―本店」と言えば、地方の名もない弱小出版社の本を置いてくれると言うので、社長のなった直後、真っ先のご挨拶に伺ったことがある。当時、地方出版社の本を注文があるなしに関わらず、お願いをすれば、北海道コーナーに常時陳列してくれる書店は、他ならぬ八重洲ブックセンタ―本店だけだと聞いていた。 

 その意味では、大量生産大量消費に時代に、八重洲ブックセンターのコンセプトでもある「読者と本の出会いを最大限に追求する」を掲げ、文字活字文化に多大な貢献をしていただいた稀有な書店だったと言える。極めて売れる可能性の少ない地方出版社の本を置いていただき、宣伝力のない弱小出版社にとっては、今で云う<セレンディピティ>の可能性を提供していただいた数少ない中央書店であった。立ち退き閉店は、残念であるが、6年後の再出発を願ってやまない。
posted by あうる at 08:25| Comment(0) | 書籍

2021年12月07日

電子書籍を追いかけてB

 2010年4月、大手出版社、印刷会社が株主となり、「株式会社出版デジタル機構(パブリッジ)」設立された。新たな出版契約書のフォーマットが提案され、まだ海のものとも山のものとも分からない電子書籍を市場に流通させる仕組みが作られる。

 翌年の7月、弊社が中心となり、「北海道」をキーワードとして「地域性」に特化した「電子書籍ストアー・ブックネット北海道」を立ち上げた。ストアーには北海道の出版社、北海道在住・出身の作家(執筆者)、北海道に関する題材を扱った作品の販売・発表等のための<プラットホーム>として位置付けたつもりである。
 
 当ストアーで扱う電子書籍のファイルフォーマットは潟{イジャーの「ドットブック」。リフロータイプ(レイアウトを固定せず、画面サイズに応じて文章が流れる)の書籍を対象としたものである。対応端末は、アップル社の、iPhoneとiPadとした。
 
 巷では、活字離れ、読書離れが声高に叫ばれており、「出版文化の灯を絶やさない」そのそのためには、読者層の底辺拡大が急務とされていたころである。そんな中、電子書籍の出現は、読書スタイルの新たな選択肢として、また絶版本や事情があって紙で再版できない出版物等々の需要拡大のきっかけになるのでは・・・という淡い期待もあった。

 全国的に電子書籍に対する様々な論議がされている中で、2012年10月「第1回さっぽろ電子図書館流通検討会」が図書館関係者、出版社、新聞社等々15団体20名が参加し、札幌市中央図書館で開催された。
posted by あうる at 17:03| Comment(0) | 書籍

2021年11月18日

電子書籍を追いかけてA

 2011年〜2012年にかけて、札幌市中央図書館が「電子図書館実証実験」なるものを実施した。市内の出版社、雑誌社、新聞社など16社が紙、電子を問わずコンテンツのデータを提供し、400名ほどの市民モニターが電子書籍の実証実験に参加した。

 アンケート調査によると、実証実験の参加した人たちから、市内の出版社・雑誌社の刊行物の充実と電子図書館を利用した読書を再度体験したいとの要望が多かったと聞く。意外なことに、札幌にこんなに出版社があるとは思わなかったとの驚きの声すらあった。

 電子書籍を供給した出版社等が、継続的にコンテンツ供給をする仕組みづくりについてどうすればいいのか・・・、「さっぽろ電子図書館流通検討会」として図書館関係者及び出版関係者、有識者等々交え論議を重ねた。

 2010年代の出版業界では、電子書籍に対する否定的な意見が多く、同時期に起きた図書館の複本問題もあいまって、図書館に対する悪感情をもつ著者、出版社、書店も少なからず存在した。「図書館は無料貸本屋だ!」とまで言い切る出版人もいた。大都市圏の図書館では、売れ筋の本を主に複数買い集め、数年先まで貸し出し予約がされている本もある等々のうわさも流れた。

 確かにそのこと自体、本来の図書館のあるべき姿から、逸脱していると言えなくはない。流行り廃りに関係なく読者が読みたい本、知識を得たい本、書店では見つけ出せない本、買いたくてもなかなか手にできない本等々を中心に本をそろえることが、図書館が地域住民に求められている役割であり、使命ではないか・・・との議論が百出したころである。
posted by あうる at 09:59| Comment(0) | 書籍