最近ある会合で思いがけないお方とお話しする機会があった。お相手は日本フォーム印刷工業連合会専務理事・山口実氏。氏が会場に来賓として出席されていると聞いたので、引きも切らずご挨拶に来られる方が多い中、間隙をぬって私の方から山口氏に話しかけてみた。
山口氏は快く初対面の私と名刺交換をさせていただき、過去2度ほど氏の参加されたシンポジュウムを聴いたこと、文章を読ませていただいたこと等々をお話しさせていただいた。想像を超え柔和なジェントルマンだった。
実はこの山口氏は2012年ドイツで開催される機材展ドルッパ終了後、その2年前にアメリカで出版された衝撃的な書籍「未来を破壊する」(ジョー・ウエブ博士とリチャード・ギア氏共著)を日本に紹介することに尽力された立役者(本書の監修)である。翻訳者は山下純一郎氏。
本書は一般商業印刷を主とした今後の印刷業界に警鐘を鳴らしている内容の本だが、私が考えていたほど日本の印刷業界では話題にならなかったような気がする。加えて、監修した山口氏がフォーム印刷業というポジションにおられたこともあり、業界のカテゴリーの違いからくるギャップは予想以上に大きかったのかもしれない。。
いずれにしてもこの書籍に着目した山口氏の慧眼ぶりには、6年経った今も敬服に値する。本書は、急速な勢いで印刷マーケットがシュリンクしており、機械寿命よりマーケテング寿命が短いと言われている昨今、紙媒体に拘らず、多様に変化する新たなメディアを取り込み、果敢に突き進むしかないことをこれからの印刷人に示唆しているような気がしてならない。勿論、同質の考えを持つパートナーと共に!