2022年01月19日

時空を超えて

 先日、ズームを使ったリモート会議に参加させていただいた。この手の会議は昨年から4回目であるが、経験するにつれ便利なものだとつくづく思う。勿論、FACE TO FACE が一番よろしいが、多人数の方々が一堂に会するには、様々な制約があり、特にこのコロナ下では容易なことではない。
 
 会議は札幌から3名、本州某県の図書館関係者と印刷・出版及び書店関係者等々10数人の参加である。コロナ禍の下、全国の図書館で電子図書館の設置が活発化してる。ここ2年ほどの間に200館単位で増えていると聞く。実際、昨年の年度末には全国の図書館から、当社が関わる(一社)北海道デジタル出版推進協会(HOPPA)経由で、北海道に関する電子化された出版物(電子書籍)の購入依頼が引きも切らず増えている。
  
 コロナ禍の巣籠需要が出版業界に活性化をもたらしているばかりではない。図書館が閉館のため本が借りられずにいる方、あるいはまた、別の事情で図書館に足を運べない方々が、手続きさえとれば、札幌市の場合は中央図書館の電子図書館を活用することができる。道内では札幌以外で急速に増え、北見、苫小牧、天塩、網走、登別、帯広、恵庭、栗山、天塩、余市等々で電子書籍の貸し出しサービスを行っている。

 いづれにしても多くの方々に地域の出版物、資料等々のコンテンツを知っていただく機会が増えたことは、喜ばしい限りである。
 
posted by あうる at 12:23| Comment(0) | 印刷・出版

2021年10月15日

電子書籍を追いかけて@

 弊社が電子書籍に関わるきっかけになった経緯と、その後、どんな変化をもたらしたかを記してみたいと思う。話は、'90年代後半の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された「東京国際ブックフェア」を見学したころに遡る。4万人近く集客した会場には、すでに電子書籍のリーダーである日本製のディバイス展示コーナーがあった。当時の日本は、他国に先駆けて電子書籍リーダーのディバイス開発が進んでいたと思う。
 
 そのころはまだ青空文庫(著作権が切れた漱石・鴎外・龍之介等の古典文学)を中心にソニー、パナソニック、東芝等々の電器メーカー作ったディバイスやパソコン上で電子書籍を読むことができた。が、会場では、ほとんど関心がもたれなかった。したがって2000年代には、メーカー側が電子書籍に対する将来性に期待しなくなったのか、画期的なディバイスは開発されなかったようだ。

 そもそも日本における電子書籍は、多くの出版社から快く受け入れてもらえなかったというのが正直なところである。’90年代までの出版業界は右肩上がりできたため、編集者の多くは電子書籍など歯牙にもかけなかったのだろうと思う。しかし、予想をはるかの超えるスピードで、デジタル技術の躍進が進み、様々な分野で革命的な変革をもたらしてゆくことになる。

 ’90年代後半にWindows95が出現し、ITの普及が始まる。2000年代に入り、携帯保有率が上がり、PPCでWindowsが広く活用されるにつれ、「読書離れ、ペーパレス」が囁かれ、出版マーケットは急激に陰りが見え始める。その後、グーグルによる本のスキャン問題が表面化し、海外と日本との著作権のに対する考え方の違いが明確になり、デジタル化によって著作権問題は様々な分野で問題提起がなされたと言える。技術革新のスピードがドッグ・イヤー(犬の年齢が人間の4年に相当)と言われたころである。

 2010年、日本でアップル社のアイパッドが販売されるや否や、電子書籍の話題は一気に加速し始めた。岩崎夏海著「もしドラ」(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネージメント』を読んだら」)が爆発的な話題を呼ぶ。当時たまたまネットで、私の目に留まった集英社の「もしドラ」担当者のセミナーを東京まで聴きに行かなかったら、私自身の電子書籍への関心はそう高くならなかったかもしれない。そのセミナーには、初代ボイジャーの社長も演者として来ておられたと記憶する。

 正にこの2010年こそが、「電子書籍元年」と呼ばれたエポックメーキング年であり、マスメディアでは幕末の「黒船来航」に例えられ、それまで紙媒体中心だった出版社・新聞社等にとって衝撃的な年でもあった。ある意味で、日本は電子書籍に対する最初の食いつきは早かったが、マーケットを見いだせず、結果、アマゾンやアップル等に先を越されてしまった感がある。

 4月にセミナーを聴き、6月にはモバイル・コンテンツを制作している友人から、弊社の絵本「おばけのマールとまるやまどうぶつえん」を電子書籍として共同開発しようとの連絡をいただいた。勿論、二つ返事でOK。その後は、相手の製作者とコンテンツを保有する弊社の原作者とイラストレーターらが、何度も打ち合わせを繰り返し、9月に2か国語で、動物の鳴き声や動く仕掛けもあるナレーション(2か国語)入りの所謂、リッチコンテンツの電子絵本として世界に向け発信することになる。
 
 今思えば、偶然が重なったとはいえ、道内初の「電子書籍の誕生」である。マスメディア等で大きく取り上げられ、弊社の出版の方向づけにも大きな影響を与えた出来事だった。その後、2011年には、札幌の出版社4社の協力を得て電子書籍ネットストアー「ブック・ネット北海道」を立ち上げることになる。

posted by あうる at 15:37| Comment(0) | 印刷・出版

2020年05月18日

コロナつれづれ――。

 しばらく紅灯の巷とはご無沙汰している。ススキノのビルに出入りする清掃関連の業者さんの話によると、ビル内のテナントのほとんどが閉店しており、緊急事態宣言が解除されたとしても、かなり先行きが厳しいとのことだ。店主の皆さんには、様々な情報を収集をして、もうひと踏ん張りしてほしいしと思う。自粛中の多くの人たちは、一刻も早く家族・友人たちと会食したいというのが本音だろう。
 4月に新聞社10社が「新型コロナウイルスとメディア接触」に関する共同調査したそうだ。当該新聞を読んでいる15歳〜69歳の男女にウェブ調査した結果(回収率は78.3%・3384人)、新型コロナに関する情報入手は、様々なメディアの中で一番信頼性の高いのは新聞で93.8%となった。「新型コロナの影響で関心が高まった商品・サービス」については、<体調管理・健康維持・増進に関する商品>、<テレワーク・ウエブ会議関連サービス>、<通信販売>、<本・電子書籍>、<外食の宅配サービス>とのことことである。(文化通信参照)
 弊社が関わる印刷・出版市場は、他業種同様、4月段階で大幅減となっており、5月以降の業績も厳しい状態が続く。我々業界においても、上記調査にあるようにコロナ禍を機に新しいサービス形態が発生する可能性がある。創意工夫をし、粘り強く前向きに取り組んでゆく必要がある。
posted by あうる at 17:21| Comment(0) | 印刷・出版