2017年04月06日

出版文化の存続が・・・・。

 今朝の北海道新聞「出版不況 図書館のせい?」の見出しに吃驚!数年前、複本問題(図書館が同一のタイトルの本を複数購入する行為)が様々なフォーラムで話題になり、論じられてきました。複本はベストセラーの小説などが主な対象となります。人気作家の小説は、あっという間に100件、200件の予約が入ってしまいい、1冊だけの配架だと、途方も無い時間を待つことになるのがその理由の一つです。
 図書館の使命の一つに、あらゆる文化資源を国民に無償で提供することがあり、その点からいうと、図書館側の言い分は、充分その役割を果たしているという論理です。したがって民間である著者・取次・版元・書店と目的も利害も決して同じではありません。
 加えて最近は、流通コストの問題もあり、特により新しい情報を扱う週刊誌の陸送については、時間とコストの戦いです。部数減もあり、様々な流通チャネルに対応するには、送料の値上げも余儀なくされております。いづれそれらの流通コストのアップは、取次・版元・緒店が担わなければならない事態になりかねない状況になるかと思います。
 かつて有名文芸雑誌の社長だった方が、複本問題に触れ、図書館がベストセラ―本の貸本屋さんになってしまうと、「出版文化の灯は消える。」つまり後世に残すべき貴重な書籍が、出版文化を支えており、それらはコミックを含めた雑誌やベストセラー本の稼ぎの上に成り立っているとお話ししていた。更に図書館の重要な役割は、図書館でしか見られない貴重な書籍やや手に入りにく資料を購入し配架することで、「地域の知の拠点」としての大きな存在意義があるのではないか・・・・と。
 私ども電子図書館に電子書籍を供する仕事をさせていただいている立場から申し上げると、地元出版社の書籍の電子化は地域出版マーケットの底辺を広げる一助になっていると思っています。しかし大都市における複本問題は、買いこまれる数量も違いますので、実態を調査したうえで複本の制限を加える必要もあろうかと思うのですが・・・・。
posted by あうる at 10:18| Comment(0) | 印刷・出版

2017年03月15日

春の訪れとともに・・・・。

 春の訪れとともに、個人的には慌ただしかったここ数カ月の気持ちの張りも緩みホッとしたいところだが、そうは問屋は降ろしてくれない。年度末の3月が例年になく浮上してきた。そもそも我々業界にとって年度末の駆け込み受注なんぞは、とうの昔に死語となりつつある。それほど業界は様変わりしたわけだ。
 ではどの時期が繁忙期で、閑散期はいつか?と問われても、かつてのようにどの業界の方々も、明確な返答はできないだろうと思う。個人消費が盛り上がらないのは、値段が高いのではなく、購買力を促す魅力的な商品が見当たらないからなので、いくら価格を下げてもマーケットの活況は難しい。
 さて、そんなことばかり言っていると悲観的な発言ばかりしていると思われがちだが、決してそうではないのだ。機能を超えた楽しさやワクワク感、クリエイティブなアイディアや奇抜な発想やデザイン性、心温まるおもてなしや優しさ等々、「無形の付加価値サービス」とでもいうべきサムシング・エルス(Something Else)の提供が、デフレ脱却や消費停滞を打開すると思うのだが・・・・。
 つい最近のことだが、村上春樹の新作「騎士団殺し」の新潮社の販促手法は、かつてないほど話題を独占した。熱狂的なファンや真の読書好きにスポットあて表面化することで、摩訶不思議な購買力学が働いたようにも思える。こんな購買現象が起こる限り、まだまだ出版業界は捨てたもんではない。勿論、一般の個人消費も充分期待できると思うのだが・・・・。

posted by あうる at 16:08| Comment(0) | 印刷・出版

2017年03月02日

八戸ブックセンター

 2016年のオープンした「八戸ブックセンター」。先だって立ち寄る機会を得た。八戸市直営の書店という触れ込みで、市で経営するというのは、全国では珍しい試みである。代官山の蔦屋書店や武雄市図書館(TUTAYAを運営するCCCが指定管理者)等々、数年前から民間や官民ののジョイントで、本をとおして地域興しの目玉にしたり、本の面白さを知ってもらおうといった新しい試みが始まっている。
「八戸ブックセンター」は「本のまち・八戸」の拠点として、市長自ら市長政策公約としてとして掲げている。設立のコンセプトは「八戸に本好きを増やし、本でまちを盛り上げる」ためということである。書棚に並んでいる本は自由に観覧でき、勿論、購入も可能である。 
 下北沢で「B&B」(Book and Beer)という新しいスタイルの人気書店を立ち上げた内山晋太郎氏(ブック・コーディネーター)が陰でそのサポートしている。
 施設内には、ハンモックでの読書もでき、ドリンクを飲みながら読書用のコンパクトなテーブルとイスも用意されており、執筆室のようなスペースもある。かなり実験的な試みではあるが、未来の書店を予感させ、室内は本好きには楽しい雰囲気が溢れている。
 児童向けのマイブッククーポンを配布したり、親子の触れ合いを目的にキッズ・ブッククーポンの配布も行われており、市内小中学校10項には学校司書を派遣し、図書館を活用を進めている。新幹線の八戸駅から車で15分程度で行ける。

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posted by あうる at 13:24| Comment(0) | 印刷・出版