2018年06月30日

それぞれの「万引き家族」。

 「万引き家族」を観た。言わずと知れた今年のカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した作品である。受賞後、安倍首相はお祝いのコメントを発表しなかったという。その後の報道では、林芳正文部科学相が監督と対面して祝意を伝えたいという意向を明らかにしたことに対し、是枝監督は辞退する意思を明らかにしたというもの。
 ネットでも様々な見解が取りざたされているが、 是枝監督は安倍政権が進めた安保関連法反対集会に参加したとか、放送に対する政府と与党の圧力を懸念する発言をする等々。
「万引き家族」を制作する上で、直接的なきっかけは、「既に死亡している親の年金を、家族が不正受給していた事件を知ったことです。」との監督の弁。「犯罪でしかつながれなかった」というキャッチコピーが最初に思い浮かんだそうである。
「どのようなテーマで作ったのでしょうか?」の答えとして・・・・。
 是枝監督は、『「血縁が無い中で人って家族が作れるのだろうか?」という問いについて考えてみたいということでしょうか。血のつながっていない共同体をどう構築していけるか、ということですね。特に震災以降、世間で家族の絆が連呼されることに居心地の悪さを感じていて。だから犯罪でつながった家族の姿を描くことによって、“絆って何だろうな”、と改めて考えてみたいと思いました。』と。(FASHON PRESS)
 正直、観ていてかなりきつかった。格差社会の象徴的な家族で、昭和30年代には少なからず見られた家庭内の風景だったかもしれないが、現代の様々な社会現象を疑似家族(コミュニティー)の中に凝縮。巧みな役者たちによって、生々しく見せつけられている観客は、観ていても辛いく、悲しい。いくらユーモラスな会話を交わしても、決して心底から笑えなかった。

posted by あうる at 17:57| Comment(0) | 芸術・文化
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